東京都神道青年会
会長 篠 泰比呂
先ず以て、謹んで聖寿の万歳と皇室国家の弥栄をお慶び申し上げ、神宮をはじめ各御社頭の御隆昌を御祈念すると共に、日々の神明奉仕に鋭意向き合われている全ての神職はじめ神社関係者各位に敬意を表する。
神宮におかれては先の式年遷宮より凡そ十年の月日を数え、次期式年遷宮への準備が進められる時期にあり、国家の重儀たる式年遷宮が国民遍く奉賛を以て恙なく進むように、本格的な啓蒙に向けて、青年神職も心を一にして臨む所存である。
また、本年は、当会創立七十五年の佳節を迎える。昨年より設置した実行委員会を中心に、各部各委員会が時局に応じた様々な事業を計画実行するべく鋭意取り組み、事業完遂に向け邁進する。そして、前年に引き続き、周年事業、通常事業問わず、本会の目的である「会員相互の研鑽と親睦を図り、神社神道の興隆を期する」ことを中心に据え、会員一人一人の内に秘めたる想いの灯を集め、歴史から学び、今に活かし、未来を照らすべく温故創新の理念を以て各部各委員会による各種事業を展開する。
人間社会の良い点も悪い点も全ては「人」に集約される。会においてもそれは同義である。故に、各部の事業においても、人材育成の観点より、組織のあり様や活動の内容について研究検討し、会員の神職としての資質向上に繋がる技能や知識の獲得と研鑽の場を提供する。併せて、同年代の会員を有する神青協をはじめとする他単位会や関係団体はじめ斯界内外の諸団体とも問題意識や情報の交換共有を含む関係強化や関係の新規構築、親睦に努める。また、神政連や外郭団体との連携強化に努めつつ、斯界の内外を問わず様々な有識者とも関わり、幅広い見識や視座に触れる機会を拡充する。更に、多様化複雑化する社会情勢と時局問題を認識し、丁寧に対応しつつ、社会に必要とされている堅実な奉仕活動に取り組む。教化育成事業については、次代を担う青少年に主眼を置き、その中でも特に若年層の教化に注力する。
令和七年に大東亜戦争終戦より八十年の節目を迎えることを念頭に、本年より先の大戦の歴史に向き合い、英霊には感謝の誠を捧げると共に、殉難者の御霊に慰霊の誠を捧げるべく、英霊顕彰と慰霊事業に注力する。また、本年初頭に北陸地域を襲った令和六年能登半島地震への支援はもとより、今後首都近郊を襲うであろう地震への備えを高めるべく、震災復興に係る「忘れない、風化させない」の理念を堅持し、激化と頻発化が著しい自然災害に備え、自助と共助の精神を以て、防災と支援に即応できる組織構築と運営に努めるべく災害対策に取り組む。そして、各種活動については、速やかに情報の発信と記録に努め、関係者に限らず斯界外部も意識しつつ広報のあり方とその媒体について検討し広報活動を行う。
当会が必要とされる存在としてあるために、周年期に今一度原点と歴史に真摯に向き合い、時代の流れを見極め、目的を遵守し、義命の存する所に柔軟な思考と積極果敢な姿勢を以て各種事業に臨む。
そして、「今を生きる我々が何の上に存するのか。」、また、「何のために生き、この与えられた命を使わせていただくべきなのか。」このことを熟慮し、遠くの未来を担う雲孫への責任を胸に、時には小異を捨て大同につくことを選択し、世のため人のために尽くし、神社神道の興隆の一助となるよう前年に引き続き会務に努める。